Q 食変光星の極小時刻の求め方

A 私の手順を紹介します。


観測ファイルの用意

まず、観測結果からSTDファイルを作ります。
STDファイルというのはVSOLJ(日本変光星観測者連盟)で推奨報告フォーマットと
して使われているので、以下のような書式になっています。


CETDY 19991020215241 12.20Ic Kis
CETDY 19991020215420 12.22Ic Kis
CETDY 19991020215558 12.22Ic Kis
CETDY 19991020215737 12.26Ic Kis
CETDY 19991020215915 12.25Ic Kis

それぞれ、
星名、観測日時分秒、等級(必要があれば光度体系)、観測者名略号(3文字)
例では、1行目は、
DY Cetを1999年10月20日21時52分41秒にIcバンドで、12.20等とKisという人が観測し
たという意味です。
星名が、ソートの時に便利なように星座略号星名と普段とは順番が逆になっているの
が特徴です。


エディタ等で入力して、適当な名前、例えばCETDY.STDとして保存します。
次に使うというGEOHEL.EXEツールと同じフォルダーに保存しておくと便利です。

さて、観測地を日心補正します。
私は、永井和男氏が作られた日心補正計算プログラム(GEOHEL.EXE) というツールを使
っています。


日心補正
GEOHEL.BATを実行します。

C:>geohel

SDATA2 .2 README .TXT GEOHEL .BAT SDATA2 .DTA SDATA2 .3
CETDY .STD STDCONV2.EXE STDCONV0.EXE STDCONV1.EXE

file name : cetdy.std       <-STDファイル名指定


次に、変光星の位置を2000.0分点の赤経赤緯で入力します。
DY Cetの位置は、2h38m33.17s、-14°17'57.2"(2000.0)なので、。

ra (h) = 2
ra (m) = 38
ra (s) = 33
dec (゚) = -14
dec (') = -17
dec ('') = -57

註:赤緯がマイナスの場合には全てに「-」を付けます。

いくつかの中間ファイルとともに、次の2つのファイルが
AVE_DAT0.DJM : 地心ユリウス日 光度
AVE_DAT1.DJM : 日心ユリウス日 光度
できます。


極小時刻の決定

次に、極小時刻を決めます。

これには、AVE.EXEと いうソフトを使っています。

AVE.EXEで、AVE_DAT1.DJMを開きます。
(DJMという拡張子とAVEの関連付けされていれば、できたAVE_DAT1.DJMを
ダブルクリックするだけでAVEが立ち上がります。)

すると、光度曲線が表示されます。
メニュ−のtoolsからminima searchingを選びます。

図のように、光度曲線の上でマウスを右クリックして、極小を挟むようにFirst pointと
Last pointを選びます。次に、Find oneを選ぶとKW法で求めた極小時刻が表示され
ます。


選ぶ範囲を変えると微妙に値が変わるので、私は、範囲を少し変えて、
これを、3回操作を繰り返した後、結果の保存をします。
(Analysis->show result->save)
あとで、平均の値を求めて、極小時刻としています。


O-Cの計算
GCVSの要素などから、元期(Epoch)からの周期回数(E)を計算して、予報極小時刻を計算します。先ほど決めた極小時刻との差O-Cを求めます
永井和男さんの作れたO-C.exeを 使うと、周期回数(E)の計算を自動でやってくれて便利です